アユタヤ***続復讐の芽***

徳川に追われた茉緒たちは大海を超えて新天地に向かいます。アユタヤに自分たちの住処を作ろうと考えています。


植民地12

  1. 2017/05/23(火) 06:54:15_
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 東方司令官参謀は大尉に百の兵を与えて少佐を商船の獄に入れた。それから自分も商船に乗り込んだ。少佐と統括部長の報告を自分の口ですると言う。王と茉緒が港で参謀を送る。
「いや、また戻ってくるぞ。もしもっと若かったら茉緒に熱を上げていたような」
と茉緒と握手して桟橋を上っていく。
 九郎が騎馬で戻ってきた。
「和寇が3百草原にいました。どうも統括部長を救い出す予定だったようです。手下の3人は和寇とともに倒しましたがあの漁港から部長は船に乗り込みました」
「ヒデは?」
「今半島の館の茉緒さまの部屋で待っています」
「まず、王に報告するものだろう?」
「何か相談することでもあるかと?」
 すでに館は元通りになっている。だが火薬と武器は万が一のことを考えて隠れ砦に半分を残すようにした。
「ヒデ元気だったか?」
「遅れまして」
 女忍がワインを運んでくる。
「カトマンズに大きな国があります。もしアユタヤを陸から攻めるとすればこの国しかありません」
「敵対したのか?」
「いえ、通商の申し入れがありました。でも王自身が来られないと言っています。どうしましょうか?」
「ヒデはどう思う?」
「もしこの大陸で生き残るならここと組むのがいいと思います。しかし飲み込まれる恐れもあります」
「ヒデの言葉で王に話してみるといい」







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植民地11

  1. 2017/05/22(月) 06:36:53_
  2. ミステリー
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 統括部長は商船から2百の警備兵を降ろした。7百の兵を王宮の門に集めて王宮の探索を要求した。どうも茉緒が王宮内にいると睨んだのだ。リーが申し入れを拒むと伝え続けているが、遂に商船を1艇港に入れた。商船の大砲を王宮に向けた。それで造船所の南蛮船を九郎が岬の館から抜け出して反対側の入り江から王宮の港に向かった。
「南蛮船を使うのは最後の最後よ」
 王宮の窓から港を見詰める。
「やはりヒデは間に合わなかった」
「ギリギリまで待つのだ」
 リーに言うのではなく茉緒は自分に向かっていった。統括部長はこの際アユタヤに責任を転嫁しようとしている。もし今東方司令官参謀を出しても大砲で殺しかねない。イギリス軍を制圧する力がないことではだめだ。商船から大砲が撃ちこまれた。王宮の門が吹き飛ばされた。
「商船の大砲を撃ちなさい!」
 参謀が我慢できずに叫んだ。茉緒が合図を送った。次の瞬間商船の船首が吹っ飛んだ。イギリスの商船では南蛮船まで玉が届かない。商船が慌てて港から離れる。だがイギリス軍が王宮の門になだれ込む。その時王宮の左側から騎馬隊が何百も突入している。ようやくヒデが間に合ったようだ。
 茉緒は参謀と王宮の門に立った。
「少佐を逮捕しなさい」
 指揮をしている少佐が近衛軍に捕獲された。イギリス軍は鉄砲を投げ出した。騎馬隊の後から2千の近衛軍がイギリス軍を制圧する。料亭で銃撃戦が起こる。
「統括部長が逃げました。和寇が連れ出したようです。現在下忍が追いかけています」







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植民地10

  1. 2017/05/21(日) 07:06:13_
  2. ミステリー
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 翌朝未明からイギリス軍による厳戒令が敷かれた。参謀の補佐役の大尉が逮捕され少佐が商船から戻ってきて指揮をした。だが本部に置かれた東インド会社の商館の上席に座っているのは統括部長だ。茉緒に付いては追い出したと殺人罪よりアユタヤの掌握を優先にしたようだ。
 王宮は同時に王門を閉鎖した。王宮の周りに百のイギリス軍が配置されたが突破する気はないようだ。2百は近衛軍の岬の館に攻撃を始めた。九郎はやはり門を閉めて鉄砲隊を3列3百丁並べて応戦をする。
「私に任せてください」
 茉緒が立ち上がる。参謀はベットに寝込んではいるが命に別条がない。
「茉緒に抱かれて救われた命だ。任せよう」
と参謀が答える。茉緒は海を参謀を抱いて岸まで泳ぎ切ったのだ。王が見舞いに来ている。茉緒はりーに呼ばれて隣の部屋に入る。
「現在のイギリス軍の力ではアユタヤを制圧することはできません。だが時間をかけると軍船が送られて植民地化になると」
「だから参謀を守り表に立てる。それとヒデの軍は?」
「はい。今朝伝令が戻ってきました。3日のうちにこちらに戻るとのことです。2千の近衛軍は健在です。戻った時は武装を解かず王宮に向かえと伝えました」
「3日持ちこたえるか」
 その夜、茉緒は下忍を20人集めて統括部長がいる料亭を襲わせた。もちろん生き証人を殺す気はない。料亭に目つぶしを入れた煙幕を投げ込んだのだ。それで慌てて統括部長と手下が表に飛び出してくる。これを望遠鏡で参謀に見てもらう。王宮を取り囲んでいたイギリス軍も救援に戻ってくる。
 こうして少しでも時間を稼ぐのだ。








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植民地9

  1. 2017/05/20(土) 06:24:43_
  2. ミステリー
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 少佐は本国に返還と言う処置になってインドに戻る商船に乗せられた。その間補佐役の大尉が指揮を握ることになった。この大尉はまじめな男で東方司令官参謀の良き片腕になった。だが3百のうち百がまだ統括部長が動かしているようだ。
「あの手下の動きが変なのです」
と言ってきたのは料亭の女中で入れた女忍だ。彼女は凜の片腕だ。アヘン中毒だった凜の介抱をしたのは彼女だ。
「昨夜から手下が軍の兵を百駆り出して、イギリスの商船に乗り込んで荷を下ろしています。これはどうもアヘンだと思われます。それを港に来た和寇船に積み込みました。それがその軍の一人が参謀に通報したのです」
「それで参謀は?」
「先ほど百を連れて出かけられました」
「何がおかしい?」
「下忍が移しかえを見ていたのですが、積んだ和寇船はもう消えたいなくなっていて今いるのは空船だと」
「今から行く。馬を出してくれ」
 茉緒は11頭の騎馬で港に走る。
 港に着くとすでに和寇船に参謀が乗り込むところだった。あの兵隊は手下の3人だ。茉緒は下忍とともに海に飛び込む。和寇船は友綱が切られていて海に流されている。参謀を殺す気だ。
 夕陽が沈み始めてもう和寇船は流され始めている。茉緒は和寇船に手をかける。
「ここで死んでください」
「君らは?」
「茉緒の殺し屋だ」
「そんなはずはない。統括部長の手のものだな?」
「お分かりでしたか?でもこの船はもうすぐ爆発しますよ」
 参謀は腕を縛られている。茉緒と下忍はすべて船べりに上がっている。
「戦うな。助けたら海に飛び込む」
 次の瞬間大爆発が起こった。









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植民地8

  1. 2017/05/19(金) 06:44:51_
  2. ミステリー
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 イギリスの軍艦は2艇去り、新たに商船が3艇入って来て港で荷の積み下ろしを始めた。今回は少佐が軍の火薬として引き取った荷にアヘンが隠されていた。それを下忍が見つけてその荷を夜のうちに通りにさらした。これを九郎の近衛軍が王宮に回収した。
 東方司令官参謀が朝から王宮に入った。統括部長ならここは軍船から実弾を撃ち込むだろう。茉緒は今日は統括部長を下忍を10人配置して見張っている。朝少佐は統括部長を訪ねてすぐにイギリス軍を3百副総出で国境近くの砦を探索に出た。統括部長が調査してきたようだ。
 茉緒はすべての砦への抜け道をこのために塞いだ。逆に裏街道に誘い込みビルマの盗賊の砦に向かわせた。下忍の調査では今でも盗賊隊は和寇と提携して5百ほどの兵を置いている。
「昼には国境で双方がぶつかりました。イギリス軍は盗賊隊に蹴散らされたそうです」
「よし、イギリス軍の火薬と銃弾を内密に爆破しろ」
 下忍を周りに50人を配置している。
「リーさまから王宮に書記として来るようにと」
 王宮内の下忍が連絡に来る。茉緒は化粧をして王宮に駆けつける。リーの使いが料亭に行くようにと伝えてきた。部屋に入ると東方司令官参謀が王とリーと座っている。凜が酒を給仕している。
「少佐は今夜より軟禁して調査するとのことになった」
とリーが言いにくそうに書記の茉緒に説明する。元々王の酒席に書記を呼ぶことはない。
「私から酒を注ごう」
と参謀が書記にグラスを渡す。
「ここだけの話をしよう」
 どうも参謀は書記が茉緒だと見抜いたようだ。









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プロフィール

yumebito86865

Author:yumebito86865
初めての時代小説『復讐の芽』を書き終えて、茉緒と離れられなくなりこの続編にかかりました。その時アユタヤが思い浮かびました。

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