アユタヤ***続復讐の芽***

徳川に追われた茉緒たちは大海を超えて新天地に向かいます。アユタヤに自分たちの住処を作ろうと考えています。


動乱5

  1. 2017/11/24(金) 04:52:31_
  2. ミステリー
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 九郎の後ろを茉緒が砦を超える。九郎は砦の中を鼠のように走り抜ける。水田が尽きると騎馬の群れが見える。この奥に屋敷が並んでいる。九郎は黙ったまま屋根に飛び上る。茉緒は九郎の影のように続く。
「この屋根の下が次男の屋敷です」
 天井裏に潜ると口だけを動かして話す。だが部屋の様子がおかしい。廊下に鎧を着た兵が立っている。部屋の上から覗くと、柱に縛られた男がいる。その前に白髭の冠を被った男が大声で喚いている。族長と次男のようだ。どうも九郎との約束は守れないようだ。
 やはり下忍を突っ込ませたら全滅だった。九郎を繋ぎの下忍がいる塀まで行かせる。合図の変更を伝える。茉緒はさらに大屋根に登り砦の全体を見て回る。広場には騎馬隊が集合させられている。国境に行くのかラオスに行くのかと言う感じだ。この数では戦いようがない。日が暮れるまで天井裏に潜む。今は部屋の中は縛られた次男だけだ。九郎が飛び降りた。茉緒は入口に棒を倒す。
「どうしたんだ?」
「父の部下が嗅ぎ付けたのだ」
「広場の騎馬は?」
「ラオスの王宮を攻めるのだ」
「勝ち目はあるのか?」
「5分5分だが反対だ。王宮の高官が評判がよくない。恐らく他の部族は王に着くだろう。そうなると3千5百の兵が5千の兵に攻められる。だが父は最後の戦いを挑むだろう」
 九郎は縄を解いた。
「ここの兵の幾らを味方にできる?」
「まず、父を捕えれば何とかなる。だが時間がない。月が昇ると出撃が始まる」
 元降りてきた綱で大屋根に上がる。だが族長を捕えるのはそう簡単ではない。
「九郎、合図を送れ」
とともに大屋根を走る。広場の中央の台に族長が登っている。

















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動乱4

  1. 2017/11/23(木) 06:41:00_
  2. ミステリー
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 やはり1刻もせずに街道口に新たに千の兵が戻ってきた。今度は騎馬隊だ。これとぶつかると護衛隊では持ちこたえれないだろう。今度は戻らず入口を固めたと報告が入る。
「下忍は時々隙を見ては火薬玉を投げ込むのだ」
 とにかく注意を集めておく。翌朝ヒデからの下忍の伝令が戻ってくる。地図を広げてヒデからの報告を聞く。山を越えると川にぶつかってその川はラオスの王宮まで流れているそうだ。第2弾はあるだけの旗を山の入り口に立てて出発させた。2千で王宮を包囲する。連絡があるまで伏せておくように下忍を戻した。
 茉緒は下忍を連れて騎馬隊の陣に戻る。騎馬隊は3度目の襲撃を終え戻ってきた。
「よし、この山を騎馬で乗り越えるぞ」
 すでに下忍がなだからな坂を調べている。出てきたところは街道口から離れている。草原の中にいると九郎が戻ってきた。
「ワンバットの砦に行ってきました。今度はワンバットの族長が指揮しています。今砦には1千の兵がいます。だが族長内では今回は纏まっていません。この1千は族長の直属ではありません。反対しているのは私の上司で穏健派の次男で話をしてきました。力を貸してくれます」
 詳しい話を聞いて次の手が浮かんだ。2刻馬を引いて草原の中を進む。砦の見えるところに来て馬を繋いだ。
「ここで次男の連絡を待ちます」
「下忍3人は王宮の付近に潜んでいるヒデと繋ぎのラインを作れ。私と九郎はもう一度砦に潜る。騎馬隊は合図があれば砦に火薬玉を投げ入れろ」
「それでは次男の?」
「次男とは砦の中で話をする。忍者は待っていてはだめだ。2人の下忍は砦の下で繋ぎを待て」





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動乱3

  1. 2017/11/22(水) 06:57:42_
  2. ミステリー
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 ラオスに入る手前で街道を外れて山に入って陣を取る。ここから九郎と5人の下忍をラオスに潜入させる。茉緒は5人を連れて護衛隊を探す。
「どうもこの草の感じではこの山を登ったようです」
 下忍が指を指す。茉緒たちは馬を置いてきている。1刻半走ると次の繋ぎが現れる。
「ここの谷に陣を張っています。食料はずいぶん失ったようですが、兵はほとんど失っていないようです。今こちらの下忍が護衛隊に入りました。案内します」
 谷を上ると中州に人影が見える。茉緒が降りていくとヒデの姿が出てくる。
「申しわけありません。先導に使った商人がラオスの息がかかっていました。ラオスの国境の前で休んでいるときに襲撃を受けました。60人ほど失いました」
「これからだ。で攻撃はしてきていない?」
「はい。どうも国境を出てくるつもりはないようです」
「ここまで来たら焦る必要はない。すぐに百を出してこの山を越えラオスに入る道を探すのだ。それから1千で街道口に圧力をかける。ヒデが百を連れて行け」
 茉緒は1千を連れて街道口に出る。騎馬隊から下忍の繋ぎが着く。
「街道口にはもう1千しかいません。残りはワンボインとラオスに分かれて引き揚げています。あまり連携はよくないようです。だが攻撃されたら1刻で駆けつけてきます」
「九郎は?」
「果心とさらに奥に進んでいます」
 まあ果心がいれば安心だ。
「ここに3列の鉄砲隊を敷きゆっくり前進をする。騎馬隊がまず街道に入って引き返す」
 しばらくして40騎が街道口に踏み込む。彼らは騎馬から鉄砲を撃つ。1千の鉄砲隊が慌てて出てくる。待っていたようにことらの鉄砲隊の連射が始まる。およそ3百は倒しただろうか。今度は逃げるように谷に戻る。






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動乱2

  1. 2017/11/21(火) 07:00:21_
  2. ミステリー
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 未明に茉緒は馬を走らせて王宮に行く。リーが王の部屋に向かえる。
「戻ってきてそうそう悪いな?」
「悪いと言う顔ではないですよ」
 王は頭を掻いて笑っている。
「実は私は親衛隊5百を連れて部族会議に出るのだ。ここも気をつけないとラオスと同じ運命になる。最近アユタヤにもアヘンが入ってきてそれが部族にも流れえている。調査しているが和寇が持ち込んでいるようだ。密輸のルートがアユタヤ内にあるらしい。水軍に調べさせている」
「日本もアヘンで犯されてきている」
「イギリスの商船で台湾に運ばれているのを見た。一度湾岸国で提唱することが必要ですね」
 隣でリーが記録を取っている。もう立派な内監だ。
「それは私が段取りします」
 王宮を出ると九郎を先頭に果心も騎馬にまたがっている。広場の方は親衛隊が整列している。
「何を用意した?」
「鉄砲を50艇と火薬玉を百馬の両側に積んでいます。今回はビルマに寄らずラオスに入ります」
 ビルマの国境を超えるところで、最初の下忍が繋ぎをつけてくる。
「護衛隊がラオスの国境で襲撃に会って山側に逃げたそうです」
「他の下忍は?」
「2人が逃げ込んだ護衛隊を探しています。後2人はラオスに入りました」
 まだ日では実戦は無理だったのだろうか。






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動乱1

  1. 2017/11/20(月) 06:57:21_
  2. ミステリー
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 アユタヤの岬に着く。南蛮船が1艇ゆったりと揺れている。もう桟橋には荷台が並んでいてリー顔がその中に見える。茉緒は先に降りてリーと屋敷に上がる。窓から抜け人村から来た人達が珍しそうにきょろきょろと下りてくる。
「どうだった?」
「ラオスで部族が反乱を起こして宗久さまが拉致されています。それで警護隊長のヒデが2千の兵を連れてラオスの国境に出張っています」
「2千か。相手は?」
「ワンボインがラオスの高官と組んだのです。総兵力が3千になります。長引くとビルマも揺れそうです。今回はヒデにゴラクさんも付いて行っています」
「サンベット王は?」
「茉緒に頼んでくれと?」
「また私に頼むのだな。今回戻った下忍たちは休めるがいくら集まる?」
「すでに集めてあります。もし茉緒が出れなかったら私が出るつもりでした。下忍はすでに5人を街道に走らせています。50人が集まっています」
「分かった。明日サンベット王に会ってから出発する。海野九郎を呼んでくれ。凜はどうしている?」
「アヘンに犯されていて治療中です」
「藤林の毒の女忍者が来ている。彼女に頼もう」
 九郎の後ろに果心が座っている。義足がない片足だ。
「明日ラオスに向かう。準備しろ」
「もちろん儂も行くぞ」
 果心は昔はラオスにも時期があるようだ。九郎はもう外に出て行った。









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yumebito86865

Author:yumebito86865
初めての時代小説『復讐の芽』を書き終えて、茉緒と離れられなくなりこの続編にかかりました。その時アユタヤが思い浮かびました。

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