アユタヤ***続復讐の芽***

徳川に追われた茉緒たちは大海を超えて新天地に向かいます。アユタヤに自分たちの住処を作ろうと考えています。


遠謀11

  1. 2017/06/27(火) 06:02:16_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 60人の隊を作って明朝出発する。先導にイランの商人の荷隊の家族持ちの古頭を連れて行く。彼はデリーに何度も行っている。あのイランの商人は彼の言うには自らの部隊はあまり持たず荷を地元の有力者と連携して運んでいる。それでその商人たちにカトマンズの名で契約をしていく。
 高い山を越えたところでイランの小頭が首を傾げた。旅を初めてもう5日になる。ここは彼が言う峠の茶屋があるところだ。この裏に屋根だけの小屋がある。ここで泊まらないと次の町まで下りれないのだ。
「どうもおかしいです。茶屋の親父がいないのです」
「小屋の周りに仕掛けを張れ」
 茉緒の指示で下忍が呼子の仕掛けと万が一を考えて火薬を埋める。ハル王女の女隊は鉄砲を揃えて空箱を集めて砦を作る。野宿同然だがハル王女は茶屋の中に寝かせる。
 未明に下忍からの合図があった。
「山道を夥しい松明が上がってきています」
「来たのか?」
 ハル王女も兜を付けて入ってくる。
「3百はいるな」
「盗賊?」
「いえ、あれはイランの商人の護衛隊です」
 横から小頭が指を指す。馬の先頭にあの商人が見える。60艇の鉄砲を3列に並べる。とくに第1列は下忍が火薬を埋めた場所を狙っている。茉緒はイランの商人のみに的を絞る。松明の明りで商人の顔がよく見える。頭から跨っている太ももに照準を変える。茉緒の一発で戦闘が始まる。商人は馬から落ちた。突っ込んで来る馬が火薬で飛ばされる。
 半刻で小屋まで攻め込めず山を下っていく。
「茉緒の鉄砲はよく飛ぶのね?」
「カトマンズに入れた鉄砲と同じですよ」









スポンサーサイト
テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

遠謀10

  1. 2017/06/26(月) 05:32:19_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 驚いたことに水路のそばに長屋が立ち並んでいた。
「どうした?」
「いえ、ハル王女が人夫と材木とを送ってもらったのです。それとここの部族にも声をかけてもらって千人が働いています」
「水路は?」
「古い水路の補修をしてため池まで引っ張りました。ここはちょうど窪地になっていてため池にはピッタリです」
「よしここに兵を配置しよう」
 宗久が水路からやってくる。
「ヒデ水路はもう少し拡げた方がいいぞ。水を流すだけではなくここに船を浮かべて運送をするのはどうかか?」
 手に地図を持っている。これは茉緒が作った地図を写してさらに詳しく計画が書き込まれている。
「このおくの高台に将来王宮を立てるといい。日本の山城の王宮も悪くない」
「ここはヒデと宗久さんに任せますよ」
 茉緒はそれだけ告げると馬に跨った。次はシルクロードだ。後ろから下忍が30人付いて来る。夕暮れ時に王宮に戻ってハル王女に会う。持ってきたシルクロードの地図を広げる。
「王女、今回はインドの都のデリーまで行きたいのです」
「デリーまで行くのですか?ここは昔祖父が行かれたと言われていました。今回は私を連れて行ってほしいのですダメですか?」
「どうしても?」
「今の父から王国を引き継ぐのにしっかり周辺国を見ておきたいのです。茉緒さんは?」
「デリーからさらに南下してカラチまでの道を開拓したいのです。将来アユタヤの南蛮船はカラチの港に移すのです」
 壮大な茉緒の夢だ。カラチは船長が詳しい情報と地図を渡してくれている。
「王女は女隊から30人、私は下忍を30人連れて行きます」












テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

遠謀9

  1. 2017/06/25(日) 06:45:56_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 思ったより列強の攻めは強い。第2アユタヤは遅すぎたくらいだ。だが辛うじて租界地政策が功を奏しているようだ。1週間で荷の準備は出来た。今朝王宮前の広場で王に挨拶をして出発だ。今回は茉緒が隊列を率いていく。屯田兵は3千参加することになった。これに商人隊が千付いていく。
 王に茉緒が別れを告げていると、隊列の中から籠が現れる。
「儂も行くぞ」
 籠から出てきたのは宗久だ。後ろに百ほどの荷隊が続いている。
「第2のアユタヤか。楽しそうだ。残っている豊臣の財宝を持ってきたぞ」
 同じことを考えていたのだ。租界地は人が溢れている。列国は不思議そうにこの光景を見詰めている。九郎の報告ではまだ列国はこの行動の意味を知らないでいるようだ。
 長旅の末カトマンズの都に入る。ハル王女が自ら女人隊を連れて出迎える。
「わざわざ」
「今晩は王宮にお泊りを?」
「宗久を合わせます。ヒデは?」
「向こうに行ったきりです」
 茉緒は商人隊を商館に入れ、屯田兵はそのまま開拓地に移動させる。夜には王の主催で晩餐が開かれる。茉緒は今回は近衛軍の隊長としてハル王女の隣に座る。
「宗久さまは昔からの茉緒の知り合いだとか?」
「そうですよ。昔はそれは恐ろしい忍者でした」
「それ程?」
「信長にも抱かれた忍者ですよ」















テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

遠謀8

  1. 2017/06/24(土) 06:06:07_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 アユタヤに早馬で到着する。その足で王宮に行く。執務室にサンベット王もリーも入っている。仕方がないので下忍に九郎を呼ぶ。ヒデがいないときは彼が近衛軍代行隊長だ。
「ヒデさまは戻られなかったのですか?」
「とくに問題は?」
 彼は秘密警察を指揮している。
「今王が会っている相手はイギリスの総督です。いよいよアユタヤの行政に介入を始めたのです。どうもフランスと組んだようです。それでその調査をしています」
「九郎はカトマンズ開墾部隊の募集を始めて」
「いくらほど?」
「3千を集めてもらいたい」
 そこにリーが顔を出した。それで王の執務室に入る。
「ハル王女は元気にしていたのか?」
「ここに来ると言いましたが止めましたよ」
「茉緒は恋の邪魔をするな」
 茉緒は持って帰ったカトマンズの地図を広げた。それから半刻第2アユタヤの話をした。
「だが王室には金はないぞ」
「金はこちらで段取りします。近衛軍を使います」
「王宮の段取りは私がします」
 今や王宮のことはリーが手配している。
 戻ると荷隊の準備に入った。万が一を考えフランスの下士官が作った大砲を4門運ぶことにした。それから船長に言って耕作機械を手配させる。それから館に埋蔵している豊臣の財宝をここで役に立てよう。




















テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

遠謀7

  1. 2017/06/23(金) 07:04:21_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 商館の増築工事を終えていたヒデを呼び出した。彼の前で地図を広げて見せる。
「ここに第2のアユタヤを築く。ヒデには悪いが帰るのを延期してここに移動してもらいたい」
「千すべてを当てますか?」
「ああ、まず水路を整備してその先にため池を作る」
 茉緒がヒデを見るが彼は目を合わさない。やはり意識しているのだ。やはり抱いたのは不味かったのか。
「茉緒さまはこれからどうされますか?」
「下忍を連れて一度アユタヤに戻る。王に正式に第2のアユタヤの改革を話す。宗久には手紙を書いて協力を要請する。開拓地の方はどうなのだ?」
「開拓地はもう2年になり後は裾野を開拓するだけです」
「開拓の屯田兵はいくらくらいいる?」
 一時ヒデが開拓の指揮に当たっていたのだ。
「そうですね、屯田兵は5千、家族を持っているのは2千。だが入植を希望しているのは3千もいます」
「そうか」
 戻って希望者を募集を考えている。王宮を作るのは最後でいい。まず水路を引いて田んぼを作ってしまう。最低3千は欲しい。
 翌日ヒデは千を連れて出発をした。茉緒は朝ハル王女と会って計画を伝えた。ハル王女は自分の目でアユタヤを見たいと言ったが、この国の状態では彼女は離れられない。それで女隊から小頭を連れて行くことにした。急ぐので全員馬を調達した。
 下忍をアユタヤの国境でラオスに2人走らせた。宗久に手紙を届けるのだ。現在宗久はラオスに本店を置いているが、ビルマ、アユタヤ、香港に支店がある。商人と私兵を入れて3千人は下らないだろう。シルクロードの道の交易を行うには宗久の力がどうしてもいる。







テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

NEW ENTRY  | BLOG TOP |  OLD ENTRY>>

プロフィール

yumebito86865

Author:yumebito86865
初めての時代小説『復讐の芽』を書き終えて、茉緒と離れられなくなりこの続編にかかりました。その時アユタヤが思い浮かびました。

最新コメント

« 2017 06  »
SUN MON TUE WED THU FRI SAT
- - - - 1 2 3
4 5 6 7 8 9 10
11 12 13 14 15 16 17
18 19 20 21 22 23 24
25 26 27 28 29 30 -

検索フォーム

リンク

このブログをリンクに追加する

ブロとも申請フォーム

QRコード

QR


▲PAGETOP