アユタヤ***続復讐の芽***

徳川に追われた茉緒たちは大海を超えて新天地に向かいます。アユタヤに自分たちの住処を作ろうと考えています。


大将軍10

  1. 2017/09/11(月) 06:29:54_
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 半月も待たされて、ようやくビルマ王から謁見が可能になった。宗久の情報では大将軍の遠征は大敗したと言うことだ。それでアユタヤの条件を飲むしか道はなくなったと言うことらしい。宗久の金で明日さらに2千の兵が送られることになった。
 サンベット王子と女官として王宮に入る。茉緒は王子付きの内監と言う肩書だ。ビルマ王の横には経済相が座っている。その後ろに宗久がいる。さすがに宗久だ。いつの間にかビルマ王を取り込んでいる。信長を取り込んだ時のような顔をしている。
「戻られたらアユタヤ王に就任してください。兄王子はしばらくビルマで預かります。ただし、アユタヤは宗久殿と交易費を払い続けること」
 経済相が王の代わりに復唱する。
「その横の女官は茉緒と言う恐ろしい忍者と聞いておる」
 初めて王が口を開いた。どうもそんな話まで宗久はしているのだ。
「大将軍は今のビルマを見ていないのだ。昔のような力がビルマにはない。だから周辺の部族が離れていく。今回5千の兵を出すのに宗久の金を使わないとダメだったのだ」
「アユタヤはビルマと手を結んで歩みます」
 サンベット王子が立ち上がって宣誓する。
「だが、大将軍を儂が押えることはかなわん。彼は王族での力が強い。それにかなりの資産を持っている。これはチャクラバットと組んだ和寇の金だ。この金を使うために大将軍の言いなりにならざる得なかった。これからは宗久を頼りにする」
 宗久が立ち上がって頭を下げる。








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大将軍9

  1. 2017/09/10(日) 06:49:32_
  2. ミステリー
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 大将軍の隊が都を出発した。茉緒はりーと下忍を連れて料亭の屋敷に潜る。そのほかにリーの部下を料亭の周りに50人忍ばせる。サンベット王子には兄の策略を伝えている。だが兄の誘いを断るわけにはいかないのだ。これは王から与えられてた席なのだ。これを受けないと面接はなくなる。
「飲み物に毒や薬を入れることはないのか?」
「すでに調理人は入れ替わっています。薬は兄のものに入れます。もちろん眠くなるだけです」
 天井裏でリーが説明する。部屋にサンベット王子が入ってきた。
「ご無沙汰しています」
「ああ、まあ1杯飲むのだ」
 王子には飲んだら眠るように言っている。天井裏に下忍が現れる。。
「廊下に大将軍の兵が30人すでに集まっています」
「リーは王子を抱えて走ってくれるか?」
「よし、眠り薬を混ぜた煙幕を廊下に放て」
 弟が倒れてすぐに兄が倒れた。ほとんど同時に天井から飛び降りる。横のふすまが開いて下忍が合図をする。リーは軽々と王子を抱えると走り出す。茉緒は入ってきた兵を打ち据える。5人を打ち倒すと茉緒もそのまま屋敷の外に出る。外でも戦いが起こっている。大将軍は万が一を考えてさらに外にも兵を配置していたのだ。
 これに対して茉緒もリーの兵を50人集めておいた。リーの兵は火薬を投げる。大将軍の兵と言ってもここでは民兵に過ぎない。あまり大騒ぎになると警備兵が駆けつけてくる。
「盗賊が襲ったと噂を流します」
 リーの兵が駆け出していく。茉緒は引き上げる合図を送る。











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大将軍8

  1. 2017/09/09(土) 06:52:07_
  2. ミステリー
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 すでにサンベット王子は王宮に入った。茉緒とリーはもう3日大将軍の屋敷に潜り込んでいる。今日は面会室にサンベット王子の兄とチャクラバットの腹心がアユタヤから来ている。
「今アユタヤでチャクラバットがまとめられる兵は?」
「残念ながら親衛隊が2百と民兵が3百、和寇が3百で向こうの半分がやっとです」
「まず盗賊隊を千2百送ろう。それで兄は戻って王に着く」
「私は戻れるのですか?」
「ああ、準備をしておくのだ」
「王さまから兄の復帰を認められるんですか?」
「経済相が反対しておるが、承認が降りなくても雲隠れにすればいい。そうだ、兄のお前が弟を呼び出せ。30人ほど兵を回す。まず、王に会う前までに片をつけよ。あの料亭を使うがいい」
 リーが口を動かす。
「そこは知ってる」
「そこに下忍を潜ませよう」
「だが儂はそれに立ち会って入れないのだ。周辺の部族を攻めるために5千の兵を出す。これは王からの指示だ。それでも今回は片が付くかどうかわからん。ビルマも大変なのだ」
「やはり出撃するのだ」
 茉緒はりーを連れてそっと屋敷の天井から抜ける。






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大将軍7

  1. 2017/09/08(金) 06:24:39_
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 ビルマの都はアユタヤよりずいぶん広い。商人に化けてリーに連れられて都に入る。大通りの正面が王宮だ。その周りに商店が続いている。その中でも立派な建物にリーが入る。
「久しぶりだな茉緒」
 宗久は前より白髪が目立つ。
「太閤の財宝が生かされるときだ。ここで2倍にも増やしたわ」
「さすが商売の腕は落ちてませんね?ところで今回の訪問はうまくいくのでしょうか?」
「根回しをしているがまだ内緒だがビルマは近々戦争を始める。周辺の部族がビルマから離れているのだ。だから大将軍は経済的に豊かなアユタヤを併合しようとしている。だがそれより先に周辺部族を抱き込んでいる国が攻め込んできているのさ。ここも日本の戦国時代に似ている」
「どこも大変ですね」
「それで内監を通じて王にアユタヤの商人会からの資金の提供を申し入れている。この金はあの財宝から出す。だが条件は出している。周辺部族にも商いを認めさせる。実は敵国まで荷を送ろうと考えている。茉緒の南蛮船に負けない大航海をするのだ。シルクロードに出るのだ」
「楽しみですね?」
「ああ、ここに来てまた夢が見れるさ」
「私は?」
「大将軍の動きを見張っていてほしいのだ。彼はこの際弟を監禁して兄をアユタヤに戻そうとしている。これは王の承認がなくても裏で強引に動く恐れがある」
「また昔のように忍者ですね」









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大将軍6

  1. 2017/09/07(木) 06:23:41_
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 王子は2刻も遅れて宿泊所に到着した。
 王子の部屋で茉緒とリーと商人隊の小頭が集まる。
「都の状況はどうなんだ?」
「都は門周辺に警備兵が3百置かれています。警備兵は経済相の傘下にあります。経済相は宗久さんが押えています。宮殿内は千の親衛隊が守っています。これは王の配下で大将軍の力は及びません」
「大将軍の本体は宮殿の外の兵舎に5千の兵がいるわ。でも宮殿内で大将軍は動くことはない」
 リーが都の地図を開いて説明する。サンベット王子は頷いて聞いている。相当疲れているようだ。
「都の中のこちらの警備は?」
「こちらの親衛隊百の他に私の部下を百人要所に配置します。商人隊もゴラクさんと宗久さんを合わせて3百都にいます。問題は今回のチャクラバットの総司令官の解任をビルマの王が認めるかです」
「これについては都に着いたら宗久さんにすぐに会ってほしいのです」
「大将軍はこの際兄王子をアユタヤの王に復帰させるべきと主張しています」
「私は監禁されるのか?」
「そうもいかないビルマの理由もあります。ビルマ周辺部族のビルマ離れが続いています。それと財政的にはますます厳しくなっています。アユタヤとの商いがビルマの大きな柱になっています」
「私は一足先にビルマの都に入るつもりよ。宗久さんと話をしておく」
 翌朝早く茉緒はりーと下忍を5人連れて町を出た。








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yumebito86865

Author:yumebito86865
初めての時代小説『復讐の芽』を書き終えて、茉緒と離れられなくなりこの続編にかかりました。その時アユタヤが思い浮かびました。

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