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アユタヤ***続復讐の芽***

徳川に追われた茉緒たちは大海を超えて新天地に向かいます。アユタヤに自分たちの住処を作ろうと考えています。


植民地10

  1. 2019/06/15(土) 06:49:00_
  2. ミステリー
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 翌朝未明からイギリス軍による厳戒令が敷かれた。参謀の補佐役の大尉が逮捕され少佐が商船から戻ってきて指揮をした。だが本部に置かれた東インド会社の商館の上席に座っているのは統括部長だ。茉緒に付いては追い出したと殺人罪よりアユタヤの掌握を優先にしたようだ。
 王宮は同時に王門を閉鎖した。王宮の周りに百のイギリス軍が配置されたが突破する気はないようだ。2百は近衛軍の岬の館に攻撃を始めた。九郎はやはり門を閉めて鉄砲隊を3列3百丁並べて応戦をする。
「私に任せてください」
 茉緒が立ち上がる。参謀はベットに寝込んではいるが命に別条がない。
「茉緒に抱かれて救われた命だ。任せよう」
と参謀が答える。茉緒は海を参謀を抱いて岸まで泳ぎ切ったのだ。王が見舞いに来ている。茉緒はりーに呼ばれて隣の部屋に入る。
「現在のイギリス軍の力ではアユタヤを制圧することはできません。だが時間をかけると軍船が送られて植民地化になると」
「だから参謀を守り表に立てる。それとヒデの軍は?」
「はい。今朝伝令が戻ってきました。3日のうちにこちらに戻るとのことです。2千の近衛軍は健在です。戻った時は武装を解かず王宮に向かえと伝えました」
「3日持ちこたえるか」
 その夜、茉緒は下忍を20人集めて統括部長がいる料亭を襲わせた。もちろん生き証人を殺す気はない。料亭に目つぶしを入れた煙幕を投げ込んだのだ。それで慌てて統括部長と手下が表に飛び出してくる。これを望遠鏡で参謀に見てもらう。王宮を取り囲んでいたイギリス軍も救援に戻ってくる。
 こうして少しでも時間を稼ぐのだ。








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テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

植民地9

  1. 2019/06/14(金) 06:53:14_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 少佐は本国に返還と言う処置になってインドに戻る商船に乗せられた。その間補佐役の大尉が指揮を握ることになった。この大尉はまじめな男で東方司令官参謀の良き片腕になった。だが3百のうち百がまだ統括部長が動かしているようだ。
「あの手下の動きが変なのです」
と言ってきたのは料亭の女中で入れた女忍だ。彼女は凜の片腕だ。アヘン中毒だった凜の介抱をしたのは彼女だ。
「昨夜から手下が軍の兵を百駆り出して、イギリスの商船に乗り込んで荷を下ろしています。これはどうもアヘンだと思われます。それを港に来た和寇船に積み込みました。それがその軍の一人が参謀に通報したのです」
「それで参謀は?」
「先ほど百を連れて出かけられました」
「何がおかしい?」
「下忍が移しかえを見ていたのですが、積んだ和寇船はもう消えたいなくなっていて今いるのは空船だと」
「今から行く。馬を出してくれ」
 茉緒は11頭の騎馬で港に走る。
 港に着くとすでに和寇船に参謀が乗り込むところだった。あの兵隊は手下の3人だ。茉緒は下忍とともに海に飛び込む。和寇船は友綱が切られていて海に流されている。参謀を殺す気だ。
 夕陽が沈み始めてもう和寇船は流され始めている。茉緒は和寇船に手をかける。
「ここで死んでください」
「君らは?」
「茉緒の殺し屋だ」
「そんなはずはない。統括部長の手のものだな?」
「お分かりでしたか?でもこの船はもうすぐ爆発しますよ」
 参謀は腕を縛られている。茉緒と下忍はすべて船べりに上がっている。
「戦うな。助けたら海に飛び込む」
 次の瞬間大爆発が起こった。









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植民地8

  1. 2019/06/13(木) 06:42:01_
  2. ミステリー
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 イギリスの軍艦は2艇去り、新たに商船が3艇入って来て港で荷の積み下ろしを始めた。今回は少佐が軍の火薬として引き取った荷にアヘンが隠されていた。それを下忍が見つけてその荷を夜のうちに通りにさらした。これを九郎の近衛軍が王宮に回収した。
 東方司令官参謀が朝から王宮に入った。統括部長ならここは軍船から実弾を撃ち込むだろう。茉緒は今日は統括部長を下忍を10人配置して見張っている。朝少佐は統括部長を訪ねてすぐにイギリス軍を3百副総出で国境近くの砦を探索に出た。統括部長が調査してきたようだ。
 茉緒はすべての砦への抜け道をこのために塞いだ。逆に裏街道に誘い込みビルマの盗賊の砦に向かわせた。下忍の調査では今でも盗賊隊は和寇と提携して5百ほどの兵を置いている。
「昼には国境で双方がぶつかりました。イギリス軍は盗賊隊に蹴散らされたそうです」
「よし、イギリス軍の火薬と銃弾を内密に爆破しろ」
 下忍を周りに50人を配置している。
「リーさまから王宮に書記として来るようにと」
 王宮内の下忍が連絡に来る。茉緒は化粧をして王宮に駆けつける。リーの使いが料亭に行くようにと伝えてきた。部屋に入ると東方司令官参謀が王とリーと座っている。凜が酒を給仕している。
「少佐は今夜より軟禁して調査するとのことになった」
とリーが言いにくそうに書記の茉緒に説明する。元々王の酒席に書記を呼ぶことはない。
「私から酒を注ごう」
と参謀が書記にグラスを渡す。
「ここだけの話をしよう」
 どうも参謀は書記が茉緒だと見抜いたようだ。









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植民地7

  1. 2019/06/12(水) 06:41:37_
  2. ミステリー
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 翌朝リーは茉緒を従えて料亭に東方司令官参謀を馬車を持って迎えに行った。近衛軍は30人だけに絞った。参謀も軍は20人だけにした。それでけでなく騎馬を求められリー、茉緒、参謀が先頭に並んだ。
「アユタヤは美人で聡明なお嬢さんが多いのだな?」
「どうしてです?」
「あの料亭の女将は茉緒さんの妹と聞いているよ。ぜひ私も茉緒さんに会いたいものだ」
と書記の茉緒に話しかけてくる。
 開拓地に付くと茉緒が参謀の横を騎馬で詳しい説明をする。
「これはいい政策だ。王が?」
「ええ、でもアユタヤは貧しい国なので茉緒さんが資金を提供しています。今年には米が輸出で来そうです。それとここの農民は屯田兵制度で近衛軍となります」
「屯田兵制度を詳しく聞かせてくれるか?」
 それで半刻話を続けて夕食はそこで弁当を食べた。茉緒は話しながら統括部長の生き残りの手下が隠れているのに気づいていた。どうも護衛をしていると言うより聞き耳を立てているようだ。
 参謀を送ってから統括部長の部屋に忍び込んだ。
 統括部長は一人酒を飲んでいる。そこに先ほどの手下が戻ってくる。
「どうだった?」
「参謀は部長の殺人については疑問を持っているようです」
「やはりな」
「誰が案内した?」
「リーと書記です。とくに書記を気に入ったようですな」
「そんな美人の書記がいたとはな?」











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植民地6

  1. 2019/06/11(火) 06:47:00_
  2. ミステリー
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 茉緒の統括部長殺人の調査がイギリス軍とアユタヤの近衛軍と双方で始まった。九郎がヒデに代わり近衛代理隊長となり岬の館に兵舎を置いた。下忍は造船所と国境沿いの隠れ館に分かれた。茉緒は隠れ館に移り次の作戦を練っている。
 1か月後イギリスの軍船が3艇アユタヤの海に現れた。下りてきたのは東方司令官参謀だ。65歳の白髪の髭が立派だ。新たに2百の兵と王宮に入った。サンベット王は関連大臣とリーとゴラクを呼んで円卓に座った。ここに茉緒は女性の書記としてリーの後ろに座っている。在任の責任者として少佐も東方司令官参謀の横に座る。
「統括部長殺人の疑いだがアユタヤではどう考えている?」
「無実だとアユタヤは考えています」
とリーが代表として答える。だが今は統括部長が生きていると言わない方針で一致している。それはイギリス軍そのものが仕組んでいるとみているからだ。少なくとも少佐は統括部長の命令で動いている。
「ならなぜ茉緒は逃げている?」
「ラオスへ行ったと聞いている」
 サンベット王が自ら答える。
「茉緒はアユタヤではどういう立場だ?」
「王宮のどの役職にもついていません。南蛮船を持って交易をしています。元は日本の藤林と言う忍者の頭領だったと言う噂です」
 今度はゴラクが答える。
「晩餐をこの後しますが?」
「いや、私は歳を取っているので今夜は失礼する。明日は開拓地と言うのを案内してもらいたい?」
「リーを案内に付けよう」







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プロフィール

yumebito86865

Author:yumebito86865
初めての時代小説『復讐の芽』を書き終えて、茉緒と離れられなくなりこの続編にかかりました。その時アユタヤが思い浮かびました。

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