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アユタヤ***続復讐の芽***

徳川に追われた茉緒たちは大海を超えて新天地に向かいます。アユタヤに自分たちの住処を作ろうと考えています。


動乱2

  1. 2019/11/20(水) 06:44:29_
  2. ミステリー
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 未明に茉緒は馬を走らせて王宮に行く。リーが王の部屋に向かえる。
「戻ってきてそうそう悪いな?」
「悪いと言う顔ではないですよ」
 王は頭を掻いて笑っている。
「実は私は親衛隊5百を連れて部族会議に出るのだ。ここも気をつけないとラオスと同じ運命になる。最近アユタヤにもアヘンが入ってきてそれが部族にも流れえている。調査しているが和寇が持ち込んでいるようだ。密輸のルートがアユタヤ内にあるらしい。水軍に調べさせている」
「日本もアヘンで犯されてきている」
「イギリスの商船で台湾に運ばれているのを見た。一度湾岸国で提唱することが必要ですね」
 隣でリーが記録を取っている。もう立派な内監だ。
「それは私が段取りします」
 王宮を出ると九郎を先頭に果心も騎馬にまたがっている。広場の方は親衛隊が整列している。
「何を用意した?」
「鉄砲を50艇と火薬玉を百馬の両側に積んでいます。今回はビルマに寄らずラオスに入ります」
 ビルマの国境を超えるところで、最初の下忍が繋ぎをつけてくる。
「護衛隊がラオスの国境で襲撃に会って山側に逃げたそうです」
「他の下忍は?」
「2人が逃げ込んだ護衛隊を探しています。後2人はラオスに入りました」
 まだ日では実戦は無理だったのだろうか。






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テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

和寇12

  1. 2019/11/19(火) 07:02:36_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 ゆっくりと港を離れる。日本の夕陽が眩しい。
「どうだ何人乗り込んだ?」
「子供女を入れて32人です。残されていた財宝も積み込みました」
 九郎が説明する。
 源じいは茉緒が出る時に目を覚ました。はやりここに残ると言うことだった。薬草園の人間が残ったようだ。今伊賀にはまだ藤林お館の亡霊が出るようだ。源じいが亡霊だったようだ。次にここに来ることはあるのだろうか。
「懐かしいな?」
「今回は私も子供を連れて入れて貰いました」
 彼女は藤林の館に最後まで残っていた女忍者だった。息子を生んだが夫はこの戦いで死んだのだ。彼女は毒を使うと右に出るものはない。
「今日本にも相当なアヘンが入ってきています」
「そんなに?」
「これは商人の話ですが、イギリス船が持ち込んだものを和寇が日本に運び入れているようです」
 果心が揺れながら入ってくる。
「飲み過ぎですか?」
「茉緒を助けて足を落とされたが修理が下手なのだ」
「命の恩人ですね?」
 まだまだ上には上がある。
「いつアユタヤに着く?」
「直線で3日ですかね」
 船長の後ろの海はもう真っ暗だ。







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和寇11

  1. 2019/11/18(月) 06:59:25_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 未明に果心居士が帰ってきた。地図を出して偽の抜け人村の地図を出す。
「ここの元の砦に柳生と服部が30人おる。この反対側の崖から攻めるのがいいだろう。相手はこちら側に下忍を忍ばせている。今から尾根を走って出るぞ」
「分かった。九郎は鉄砲を持たせて20人を連れて来い」
 2刻を走って果心の言う崖に出た。茉緒は下忍を使って反対の尾根道から来たように手配させる。それからゆっくりと崖を下りて砦を見張られるところに鉄砲隊を配置する。砦の外に10人ばかり出ている。
「よし一気に攻めるぞ」
 鉄砲を撃ちかける。中から10人ばかり出てくる。
「次は火薬玉を投げ込め!よし突撃だ」
 九郎を先頭に切り込む。一気に半分は倒したようだ。それが砦に入った下忍が2人切られて飛び出してくる。片目の柳生だ。
「幻の藤林のお頭か?柳生十兵衛だ」
と言う途端に九郎の剣を躱して脇腹を切り裂く。茉緒がすかさず九郎の体を押して間に入る。十兵衛の剣が恐ろしいほど伸びてくる。思い切って飛び去るが足に剣が突き刺さった。次の瞬間もう上段で切り込んでくる。転がって下から剣をすりあげる。思わず飛び上がっている。
 何ということだ遅れて飛んだのに十兵衛は同じ高さに飛び上っている。空では容易に向きを変えられない。このままでは上から切り込まれる。その時黒い鳥が間に挟まった。果心が足を十兵衛と茉緒の間に差し出した。十兵衛の剣が足を切り落とし茉緒の剣が右肩に食い込む。
 次の瞬間十兵衛は柳生に運ばれていく。茉緒は慌てて果心の体を支える。
「恐ろしいやつだ。儂の鉄の足を切り落としよった。茉緒は?」
「刺し傷です。九郎は?」
「はい。傷は浅いです」
「引き揚げるぞ!」










テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学

和寇10

  1. 2019/11/17(日) 06:57:39_
  2. ミステリー
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 抜け人村の入口は塞がれている。しばらくすると縄梯子が降りてくる。
「婆か?」
 茉緒は源じいの妻に声をかけた。
「茉緒さまだ。若い下忍が顔が分からなくて呼ばれたのだよ」
 縄梯子に伝って岩に割れ目に入ると懐かしい抜け人村に出る。まだ畑も残っている。婆に連れられて母屋に入る。布団が敷かれていて源じいの髭だらけの顔が見える。
「どうしたのだ?」
「この3か月前から柳生にこの村が目をつけられたのです。もう10人ばかりが殺されて1か月前に源じいが抜け穴を塞いで偽の抜け人村に誘い出したのです。それが逆に嵌められて12人を失いました」
「意識がないのか?」
「はい」
「あの偽の抜け人村に柳生が詰めています。頭領は片目の服部の息子です」
 若い下忍が地図を広げる。
「今ここに何人いる?」
「薬売りを入れて40人はいます」
「戦えるのは?」
「15人です」
「九郎、戦いの準備をしろ。果心はどこだ?」
「どこにか?今までここにいたのですが?」
「まずともらい合戦だ」






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和寇9

  1. 2019/11/16(土) 07:04:08_
  2. ミステリー
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 まだ空が薄暗い頃小舟で材木の積出港に着く。もうずいぶん草むらのようになっていて港だとは思えない。ただ小屋は草だらけになって残っている。茉緒はそのまま4刻走り続ける。果心だけは空を飛んでいる。夜には昔の偽の抜け人村跡で仮眠をとる。
 朝起きると果心だけがいない。九郎たちはもう用意ができてる。
「茉緒、ここからは柳生が結界を張っている。用心するんだ。服部もいるぞ」
「なぜ?」
「分からん。まず儂が乞食として先を進む。出てきたら攻撃するのだ」
 九郎が下忍を連れて果心の後に続く。茉緒はこずえ渡りで空を飛ぶ。1刻走るとにわかに殺気がしていた。果心の乞食の前に服部の忍者が現れる。木の上から見ると10人ほどが潜んでいる。柳生の姿は見えない。そのあっという間に果心が前の忍者を倒す。ほとんど同時に双方がぶつかり合う。茉緒はまだ動かない。
 鉄砲の音が響いて下忍が肩を撃たれて倒れる。ほとんど同時に空を飛びこの男を切り倒している。その後ろから鋭い剣風が走る。此奴は柳生だ。体を回転させると剣を抜く。
「やはりこの辺りに抜け忍村があったのだな?」
 茉緒は地面すれすれに構える。この侍もかなりできる。久しぶりに額に汗が染みる。下から掬い上げ切り上げる。男は飛び去ると上段から切り下げそこから反転して掬い上げる。額から一筋の血が目に入る。
「飛べ!」
 果心の声に茉緒は宙に舞っている。柳生も慌てて飛び上がる。だが茉緒の方が高い。柳生が頂点に来た時には半回転して後ろに回って一太刀浴びせる。
「危ないところだ」
 果心が笑って立っている。すべてを倒したようだ。
「此奴は柳生の高弟だ。ここからは足跡を消していく」」







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プロフィール

yumebito86865

Author:yumebito86865
初めての時代小説『復讐の芽』を書き終えて、茉緒と離れられなくなりこの続編にかかりました。その時アユタヤが思い浮かびました。

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