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アユタヤ***続復讐の芽***

徳川に追われた茉緒たちは大海を超えて新天地に向かいます。アユタヤに自分たちの住処を作ろうと考えています。


再建5

  1. 2019/10/19(土) 06:58:10_
  2. ミステリー
  3. _ comment:0
 谷を上ると峠に出る。ここから分水嶺になっていて、水は岩から湧いて出て左右に分かれて流れている。山で野宿をして昼までに平地に降りる。ここで川幅が広くなり村に入る。宗久が籠から降りてきて川面を眺めている。盗賊たちも最後についてきている。ヒデはまだ橋をかけていて追いついていない。
「ここに宿場を建てよう」
 宗久は商人頭を連れて村の中に入る。茉緒は下忍を集めて次の先を探索に走らせる。荷隊を囲むように護衛隊が休憩をしている。茉緒も宗久を追い村長の建物に入る。すでに宗久が村長達に盗賊の頭を通訳に話を続けている。
「ここに商人達が泊まる宿場を作りたいが、もちろんここの土地の借り料として毎年賃料を収める。ここに市場を開いて商品も下ろす」
「それはいいが村人を雇ってくれ。それと年に1度襲ってくるワンボインと言う盗賊がいる」
「ワンボインとは私も戦ったがこれは鍛えられた兵だ。ラオスの王朝に従わない部族は多い」
「そうだ。米の収穫時期に必ず襲ってくる。昨年も百の兵が襲ってきて20人が殺された」
「盗賊隊で守れるのか?」
 茉緒が聞く。
「戦えるのは50人ほどだ。出来れば村人に槍を教えたい。何名ほど出せるか?」
「若いので30人ほどかの」
「ならその時期に護衛隊を50人派遣しよう」
 話がまとまって翌日から宿場の建設が始まる。ヒデの護衛隊が到着して橋を架けた報告をした。
 荷隊はこれからは平坦な川沿いを行進する。小さな村が続く。とくに警戒すべきところがなく小高い丘の間をくねくねと道は続く。3日ほど進むと農夫が近づいてきた。
「明日にはこの国の2番の街に入りますが、ここは要注意です。役場はあるのですが、ここの商人がワンボインと組んで街を牛耳っているのです」
「いよいよワンボインが出てきたな。ヒデは下忍と商人を10人ほど連れて先に街に入ってくれ」










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テーマ : 時代小説    ジャンル : 小説・文学
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yumebito86865

Author:yumebito86865
初めての時代小説『復讐の芽』を書き終えて、茉緒と離れられなくなりこの続編にかかりました。その時アユタヤが思い浮かびました。

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